笑っていたい

映画・読書などの備忘録

『女子高生の裏社会』仁藤夢乃


「わかってくれる大人がいない」という言葉通りで、貧困層として育ってJK産業に組み込まれていってしまうような子の場合は、家庭環境・学校環境が相当劣悪で居場所がないパターンが多い。彼女たちの言葉を聞いてあげる真っ当な大人の不在、「無縁社会」と並んで「関係性の貧困」といったワードも出てくる。逆にそういった少女たちに目をつけて熱心にアプローチするのは裏社会の大人たちばかりという構造で、「衣食住」もままならない少女たちにとっては、むしろそっちの方が半分セーフティーネットみたいな役割を果たしてしまっている側面もあるという皮肉な状態。