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笑っていたい

映画・読書などの備忘録

『ハッピーフライト』監督:矢口史靖

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]
地上波で鑑賞。空港を舞台にしたドタバタ劇場で、お仕事ってとっても大変という意味で、新社会人とか観ると良いかも。

飛行機ひとつ飛ばすのに相当な数の人が携わっているわけですが、映画ではどの部署・部門でも「新人or若手と上司」の関係性がクローズアップされて、大小様々なトラブルが巻き起こる中で、それぞれの小さな成長が描かれてます。ハイテンポ&コミカルな作品なんで最初観たときは気付かなかったけど、パイロット、CA、グランドスタッフ、オペレーションコントロールスセンター、管制官、整備士と出てくる部門はすべて「先輩と若手&新人」構造で撮られていて、脇が甘かったり世の中舐めたような若手の振る舞いを先輩が叱り飛ばす、それに視聴者も襟を正すw、そんな演出です。

それと機体異常という大事故一歩手前の緊急事態に向けて、すべての伏線が張り巡らされていて、それぞれしっかりと回収されていく構造がとても感動的となってます。物語の内容以上に構成の緻密さに感動して泣けるぐらい。なかでも岸部一徳が徐々に閑職状態から現役感を取り戻してリーダーシップを発揮していく場面は痺れますな、タバコ吸うにも喫煙室っていう時代の到来が彼の潮目と重なっているという演出だと思うけど、アナログ主導だったころは灰皿に描かれた台風模様を使ってバリバリやっていたんだろうなって感じです。そして停電になったときに誰よりも力を発揮できるのはそんな彼、その復活劇の爽快さ。エンディングのシーンでは、岸部一徳が若手の鬼トレーナーにしごかれながら覚束ない手つきでパソコンの勉強をしてる場面も微笑ましいです。

wikipediaの説明が面白いので転載します。

企画当初、監督は航空パニック映画を考えていたが、その後2年間のリサーチの結果、航空機が墜落する可能性が非常に低いことと、同時に航空業界の裏で働く人々の面白さを知り、脚本の内容を変更した。結果的に、旅客機が機体異常で引き返し無事緊急着陸するだけという非常に地味な物語を面白く見せる職人芸が問われる仕事となった。リサーチは多岐にわたり、シアトルに所在するボーイング社なども訪れた。鳥被害の深刻さ、多くがカジュアルな私服で仕事をこなす管制官たち、取捨選択と妥協が要求される整備、機長の権限と責任の大きさ、原則として中年期まで昇進できないため若いキャビンアテンダント(以下「CA」と表記)にも見下される副操縦士の悲哀など、業界外の観客に興味深い内幕が巧妙に織り込まれている。