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『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』監督:チャールズ・ファーガソン

インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実 [Blu-ray]
r > g(r=資本収益率、g=経済成長率)を提唱しているフランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』が世界中で話題となっているけど、本作『インサイド・ジョブ』は2008年のリーマンショックが起こったからくりとその関係者たちを追ったドキュメンタリー作品。その本質は一番分かりやすいwikipediaを引用してしまうと(サブプライムローンという債権をあたかも資本と思い込ませた借金の転売による多重債務)ということで、その事実をアメリカの投資銀行、格付会社、経済学者たちが結託して巧妙に隠して世界中で売りさばいていたという話。要するに富める者同士が協調し資本拡大のためにあらゆる手を尽くしていて、まさに格差社会の根源を成している……インサイドジョブ=内部犯行という話。今までどうして『21世紀の資本』のような長期的なデータの観測に基づく理論が発表されなかったのかという質問にピケティが「経済学者は比較的裕福な層だから」というニュアンスのことを言っていた記事をどこかで読んで「ん?」と思ったけど、その意味がこの映画でよく分かった。御用学者化している人間が多いというわけだね。