『マジカル・ガール』カルロス・ベルムト監督
私的評価:89点
2014年のスペイン映画、ネオ・ノワールというジャンルらしい。「魔法少女ユキコ」という日本のアニメ(作品内における架空の作品)に憧れる白血病の少女とお父さんの物語、、、と書くと心温まるハートウォーミングな一本に感じるが、ふたを開けてみたら皆殺しのサスペンス映画。
とても小説的な構成力を感じる作品で、個々の登場人物の話が善悪表裏一体の関係性でつながっていく群像劇な仕上がり。善意から始まった計画が悪意を呼び込み、その悪意に対抗する善意が悪意に転換していってしまうという、物事を一面的に捉えていない構成が小説的と感じる所以か。
監督のカルロス・ベルムトは日本文化をこよなく愛しているらしく、劇場デビュー作となる本作でも「魔法少女」というサブカル要素を取り入れてる。監督曰く「スペインの漫画は善悪がはっきりしいる」と不満気なので、憶測だけど同じく魔法少女アニメの「まどマギ」の鬱要素とかに感激したのかなと。
日本での予告編には長山洋子のデビュー曲『春はSA・RA・SA・RA』(フィンランドの歌手Einiによる『Kiitavan hetken hurma』のカバー曲)が使用された。Wikipedia マジカル・ガール
マジカル・ガール(2014)
MAGICAL GIRL
|