笑っていたい

映画・読書などの備忘録

『性犯罪者の頭の中』著者:鈴木伸元

性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)
「性犯罪を、性的欲求の問題としてだけとらえると、問題の本質を見誤る(P.186)」と本書にあるように、性欲旺盛な人間だけがゆきずりの性犯罪を犯すというステレオタイプな議論ではなく、日常のストレスを紛らわすために計画的に性犯罪を犯し、その負のサイクルから抜け出せなくなる依存症のような状態といった切り口で性犯罪者の思考が語られている。冒頭に出てくる「性犯罪はゲームのような感覚だった」と語るA受刑者も、引き金となった会社で受けた大きなストレスがなければ犯罪者にならなかった可能性もあるが、逆に言えばストレスが掛かればいつ性犯罪者になってもおかしくないという性質の持ち主であると言えなくもない気がした。