笑っていたい

映画・読書などの備忘録

『テロ、ライブ』監督:キム・ビョンウ

韓国映画「テロ、ライブ」 DVD MPF-11895

大統領に謝罪を要求するテロリストに対して、看板ニュースキャスターの座への復活を目論む男が犯人への独占インタビューをテレビ中継するという構成の作品。テロリストの八つ当たり的な恨みと過剰な要求、政府・警察の煮え切らない対応、テレビ局上層部の裏工作と、あらゆる不条理が一人のキャスターに圧し掛かる中での生中継による犯人との極限交渉。なかなか凄い脚本で、当たり作。それとテロリストの犯行動機にやはり「恨の文化」的なものを感じた。

『TOKYO TRIBE』監督:園子温

TOKYO TRIBE/トーキョー・トライブ [DVD]
パンチラ監督の本領発揮、清野菜名のアクション・パンチラが良い、そして見どころはそこだけかもしれない。ラップ・ミュージカルという新機軸の演出で、中盤までかなり違和感というか観ているのが苦痛で、出演者も全力で演技してるんだけど、脚本・演出に戸惑っている感がハンパない。あとラップの巧拙がけっこう出るので(主にリズム感)、下手なラップだとそれだけで学芸会のようになってしまう。

『GODZILLA ゴジラ 2014』監督:ギャレス・エドワーズ

GODZILLA ゴジラ[2014] Blu-ray2枚組
核実験の影響で変異した恐竜という設定が、本作ではゴジラを倒すために各国によって水爆の投下が繰り返されていたと変更されている。作中の米軍によるゴジラ・ムートー殲滅作戦も核による攻撃なのだけど、あまりに「核」を正当化してしまうということなのか、芹沢猪四郎博士がヒロシマの原爆で亡くなった父親の形見を作戦の指揮官であるウィリアム・ステンツ少将に見せるシーンがある。ゴジラの造形は1998年版『GODZILLA』よりも日本のオリジナルに近い形となっていた。

GODZILLA(1998年版)
GODZILLA ゴジラ(2014年版)

『性犯罪者の頭の中』著者:鈴木伸元

性犯罪者の頭の中 (幻冬舎新書)
「性犯罪を、性的欲求の問題としてだけとらえると、問題の本質を見誤る(P.186)」と本書にあるように、性欲旺盛な人間だけがゆきずりの性犯罪を犯すというステレオタイプな議論ではなく、日常のストレスを紛らわすために計画的に性犯罪を犯し、その負のサイクルから抜け出せなくなる依存症のような状態といった切り口で性犯罪者の思考が語られている。冒頭に出てくる「性犯罪はゲームのような感覚だった」と語るA受刑者も、引き金となった会社で受けた大きなストレスがなければ犯罪者にならなかった可能性もあるが、逆に言えばストレスが掛かればいつ性犯罪者になってもおかしくないという性質の持ち主であると言えなくもない気がした。

『社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則』著者:鈴木喬

社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則
消臭力」のCMで有名なエステーの社長鈴木喬による経営指南書。言動は感覚的でワンマンな感じもするが、基本的に数字や経理に強いという印象。理論を突き詰めた上で、最後は直感を信じるという